2010年11月13日土曜日

Terrorism, Transnational Crime and Corruption Center

先日、修士論文の提案書を提出しました。テーマはEU Homeland Securityについて。近い将来の加盟国拡大を視野に、マネロン・テロ資金供与対策を柱に政策を分析・検討したいと考えています。過去に紛争があり、国際的な組織犯罪活動が活発だった北アイルランドとバルカン諸国のケーススタディを提案してみたのですが、広範にわたり、言葉の壁もあるため、対象を絞らざるを得ないかもしれません。加えて、Homeland Securityなら当然、国境や出入国政策についても触れるべきであり、来年1月にスーパーバイザーが決まるまで、アイデアを煮詰めようと思っています。

これまでの過程で大変役立ったのが、米国バージニア州立のGeorge Mason Universityにある研究所"Terrorism, Transnational Crime and Corruption Center (TraCCC)"の論文やリンクでした。本ブログのお気に入りサイトの一つとしてブックマークしてあります。

http://policy-traccc.gmu.edu/index.html

同センターの創設者で主宰者のLouise Shelley教授はUniversity of Pennsylvaniaで社会学の博士号を取得、フルブライト奨学金でロシアへ渡った経験があり、旧ソ連諸国での組織犯罪に詳しい学者です。Shelley教授は私のフルブライト留学が決まった際に、同センターへ来るよう強く勧めてくれたのですが、当時、センターはAmerican UniversityからGeorge Masonへ移るさなかにあり、同大学の講義プログラムがそれほど豊富でなかったように思えたことから、周囲の勧めなどもあってGeorgetown SSPを選んだ経緯があります。

http://policy.gmu.edu/tabid/86/default.aspx?uid=76

にもかかわらず、研究滞在中に取材した時には適切なアドバイスをして下さり、大変助けてもらいました。そもそも国際的な組織犯罪とテロリスト・テロリズムの関係に興味を持ち、フルブライターになって今の生活を送れるのもShelley教授とTraCCCを知ったお蔭だと思っています。

研究分野の幅広さと活発さ、そしておそらく米国国務省とFBIと思われる政府当局との協力関係の強さには、日本の通信社のワシントン特派員も「日本の関係者はTraCCCには接触すべきだ」と評価しています。よくよく調べると、国際的組織犯罪とテロのほかに、紛争に関する研究も行われています。

昨日も大学の図書館からアクセスし、今後の研究の参考になりそうな論文や発表を片っ端からファイルに保存してきたところです。来秋には、Shelley教授とTraCCCに少しでも認めてもらえるような研究結果を残したいと願っています。

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