2010年12月19日日曜日

Suicide bomber / Information Sharing

ゲストスピーカーによる講義のメモ。

15日: Dr. Mia Bloom, Pennsylvania State University
http://www.icst.psu.edu/Personnel.shtml
  • 1980年代にLebanon, Kuait, Sri Lankaの三か所でしか行われなかった自爆テロは、1990年代から一気に拡大し、2009年までに22か国で48グループが実施している。
  • 北アイルランド紛争では、キリスト教カトリックが、教義から自爆テロの手法を許さなかった。
  • 2004年中に163件だった自爆テロは、2005年は約350件に倍増、2008年には700件に上った。急激な伸びの背景には、アメリカ軍が進攻したイラクの他、パキスタン、ウズベキスタン、タジキスタンでの発生増加がある。
  • 現代のタリバンは旧世代とは違い、"PC friendly"で、インターネットを通じて自爆テロ志願者を集めている。
  • 自爆テロリストには女性も加わっている。イラクのSamira Ahmed Jassim(女性)は、約80人の若い女性のレイプを手引きした上、彼女たちをイスラム教スンニ派地域で自爆テロへ導いた。
  • 女性の自爆テロリストは敵の目を欺きやすいという利点がある。インドのラジブ・ガンジー首相他17人を殺害したスリランカの"Dhanu"は有名。抱えた爆弾を隠し、妊婦を装う手口もしばしば使われる。女性はヘジャブやブルカで全身を覆うため、見つかりにくい。
  • Hanadi Jaradatは法律学士を持ち、生活に困らない身分だったにもかかわらず、自爆テロを行った女性テロリストもいる。
  • その他の利点は、プロパガンダ効果が高いことと、男性への触発になること。花嫁姿に偽装した男性自爆テロリストが逮捕されたほどだ。
  • 子供に洗脳教育もされている。"Suicide bomber, Mickey Mouse Terrorist", アニメキャラクターなどメディアを通じてテロへと誘う手法。
  • ウズベキスタン、パレスティナ、インド、ソマリア、イラクで特にアルカイダ系のテロ組織が女性の自爆テロリストを使っている。特にチェチェンのテロ組織が女性に自爆テロへのドアを開けたとみられる。
  • 女性の自爆テロリスト対策として、US Transportation Security Administration (TSA,運輸保安庁)はボディチェックのために大量の女性職員を採用、配置する対策をとっている。
  • スリランカのLTTE(タミル・イーラムの虎)をはじめ、多くのテロ組織と接触して分かったことは、テロリスト達も外部の人間、研究者と話したがっているということ。いかにシンパシーを持っていると思ってもらうか。逆に報道の人間に対しては、テロのために利用することを第一に考えている。
  • 各地にアルカイダ系組織が存在するが、フィリピンの組織はイデオロギーに基づくテロ遂行よりも、金儲けのための組織犯罪集団と化している。
  • パレスティナのある家庭では、兄が有名なテロリスト、弟が米・コロンビア大学で博士号を取るという極めて対照的な人生を歩んだ兄弟もいた。
17日: Mr. Michael Lynch
Garda Detective Sergeant, Domestic Violence & Sexual Assault Investigation Unit
Interpol Specialist Group on Crimes against Children
※"Garda"とはアイルランド国家警察のこと
  • Interpolでの多国間情報共有には実際、時間がかかる。官僚機構のためで、time consumingだ。
  • 他国警察のintelligenceはmutual legal assistanceという制度の下、自国で逮捕状を請求するときにのみ、利用できる。一般的には6か月から12カ月後に捜査情報がフィードバックされる。
  • Interpol Child Sexual Exploitation Database (ICSE)。 児童ポルノ、児童虐待の被害者・加害者は偽名でネット上などに表れる。そのため、多国間の捜査協力では写真による照合と特定が不可欠だ。
  • Age of Consent (結婚・性交渉の承諾年齢)は欧州各国でバラバラ。スペインでは13歳、ドイツでは14歳、アイルランドでは17歳、アメリカでは18歳未満が違法行為とされる。
  • 現在は東ヨーロッパの旧共産圏で、児童ポルノの犯罪行為が多い。
  • Gardaは世界各国のアイルランド大使館にLiaisonを送っている。Interpolのあるフランス・リヨンのビルには、Europolも所在している。
  • 英国とアイルランド共和国間のInformation Sharing Agreementにより、Northern Ireland Police ServiceとGarda間の情報共有は円滑だ。

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